現代人のための健康法 Tips

健康になるための方法は様々に提案されていますが、自分に合った方法を見つける心理学的方法を提案します。

11 ラスト・ダイエット 8 コーヒー、お茶、アルコール

飲み物は私達の生活を潤してくれますが、飲むものの種類を選んで、飲み方を工夫するとダイエットに役立ったり、脳の能力を上げてくれたりします。あまりに選択肢が多いのですが、いちばん重要なのは、楽しめるかどうか、だと思います。

 

・コーヒー

 

まず、コーヒーは、身体に合う人合わない人がいます。味が苦手な人がいます。味が苦手な人は飲む必要は無いですし、飲んで体調が悪くなるような人は飲むのを避けたほうが良いでしょう。

 

しかし、一般的には、コーヒーには様々な効用があり、コーヒーの健康効果を実証している研究も多くあります。2017年に発表された2つのレビュー論文1)、2)では一致して、1日に3〜4杯までのコーヒーは健康に良い影響があり、ガンにもなりにくいと結論付けられています。1)では、カフェインレスのコーヒーにも同様の効果が期待できるとしており、健康に良い影響を与えるのはカフェイン以外の成分であることも示唆されています。しかし、2)では、妊娠中あるいは、骨粗鬆症の女性は控えたほうが良いことも示唆しています

 

しかし、コーヒーを飲んでいる人が概ね健康であるという結果を単純に考えるのは危険です。まず、コーヒーを飲んでいる人ほど健康だったという関係があったとき、その原因をどう考えるかはとても重要です。まず考えなければならないのは、逆の因果関係です。健康的な人ほど、コーヒーを飲んでいた、という関係も成り立つからです。次に、研究対象は人で、かつ、実験ではないので、人の行動についても考えなければなりません。「コーヒー2杯までは体の調子が良くなるけど、それ以上飲むと体に合わないから避けている」というような人の行動について、疫学研究では検証されていません。また、コーヒーを飲む人の生活パターンに何か健康に良い行動があり、コーヒー自体が良いのではないかもしれませんし、カフェインに耐性の強い人は元々とっても健康だったということも考えられます。さらに、常に考えなければならないのは個人差です。コーヒーが身体に合う人が仮に90%だったとしても、合わない人にとっては、コーヒーを避けるべきだという事実にかわりありません。

 

さて、なぜコーヒーが健康に良いのかですが、コーヒーの成分として有名なものは、 クロロゲン酸などのポリフェノールカフェインです。クロロゲン酸は強力なポリフェノールで、抗酸化、抗炎症、抗高脂血症、抗糖尿病、抗高血圧などの効果があり、ダイエットにも有効であることが実証されています3)。

 

カフェインは覚醒作用が有名ですがデメリットも多く、「カフェイン:敵か味方か」というタイトルの4)では、メリットとデメリットの両方について専門家が集まった学会の結果を要約しています。デメリットとしては、まずは、多く摂りすぎると命の危険がありますし(実際に、エナジードリンクとカフェインの錠剤の飲み過ぎで亡くなった方がいらっしゃいます)、妊娠中は流産・早産の可能性を増やしますし、腎臓に悪影響があったり、さらに人によっては、胃痛やパニック発作を引き起こしたりするなど、様々なデメリットもあります。

 

カフェインには、脂肪燃焼作用もあったりするので、覚醒作用だけではなく、効用もあるのですが、その耐性には個人差があると考えられます。日本にはカフェインの基準がありませんが、個人差が大きいので基準を作ることは難しいと思います。10杯飲んでも平気な人もいれば、一口でもダメな人もいることでしょう。もし、コーヒーを飲むとすれば、最初は少量から少しずつ増やして、自分がどのくらいまで飲んでも大丈夫なのかは確認すると良いと思います。私の場合は、1日にだいたい3杯までで、朝、昼食、夕食後くらいにしています。また、睡眠に影響がありますので、どんなにたくさん飲んでも平気な人でも、睡眠の3時間前以降は飲まないほうが良いでしょう(これも個人差が大きくて、0〜12時間くらいでしょうか。寝る直前に飲んでも平気な人もいらっしゃるようです)。

 

カフェインについては、コーヒーの心配が最も大きいかもしれませんが、気をつけなければならないのは、栄養ドリンクにも製品によっては多く入っているからです。150mlあたりでは、だいたい以下のような感じです。

 

焙煎コーヒー       100mg

栄養ドリンク       20〜140mg

紅茶      30mg

緑茶      30mg

烏龍茶    30mg

プーアル茶 22mg

 

しかし、実は、ノンカフェイン・コーヒーでも、クロロゲン酸が入っていて、効果は変わらないので、例えば、朝の1杯だけは普通のコーヒーにして、2杯目あるいは3杯目からはノンカフェインにするとか、全てをノンカフェイン・コーヒーにするとか、いう方法もあります。

 

私はコーヒーの飲み方にはこだわりがありすぎるので、コーヒーの飲み方については改めて別で書いてみたいと思いますが、ここでは重要なことだけに絞りたいと思います。

 

重要なのは、まずはコーヒー豆です。インスタントコーヒーと普通にスーパーで売られているコーヒー豆はお勧めできません。本来なら冷凍庫の中で保管してほしいのですが、そうしたコーヒーにはカビ毒が含まれている可能性があり、私の場合は、肌が痒くなってしまうことがあります。焙煎したてのスペシャルコーヒーを取り寄せるか、自宅の近くで入手して、冷蔵庫ではなく、冷凍庫で保管しておくと良いでしょう。これは、ノンカフェインのコーヒー豆でも同様できちんとしたところで入手したほうが良いでしょう。

 

私のお勧めのスペシャルコーヒーは以下のロクメイコーヒーですが、コーヒーには好みがあると思いますので、自分の好みに合ったコーヒーを探すのも楽しいと思います。

 

 

 

・お茶

 

お茶も好みや体質に合う合わないがあると思いますので、自分に合うものを探すと良いと思います。

 

お茶は大きく分けると、緑茶(せん茶など),紅茶(セイロン茶など),黒茶(プーアール茶など)があり、発酵によって区別されます。緑茶は発酵していない不発酵茶、紅茶は発酵茶、黒茶は後発酵茶になります。紅茶は酸化酵素によって十分に発酵させる作り方をしますが、黒茶では茶葉を加熱して酸化酵素による発酵を止めてから、乳酸菌や酵母などの微生物で発酵させるお茶です。お茶には、他にも白茶(弱発酵茶)、青茶(半発酵茶)、黄茶(弱後発酵茶)などがあり、烏龍茶は青茶に分類されます。

 

ある研究によると、抗酸化力が最も強かったのは、緑茶、紅茶、黒茶の順で、総ポリフェノール量もカテキンの量も緑茶が最も多かったことが示されています5)。従って、抗酸化力に関しては、緑茶が最も効果を期待できそうです。

 

私自身は太りやすい体質なので、黒茶に分類されるプーアル茶を毎日飲んでいます。 腸内環境の観点からすると、発酵されているお茶のほうが腸内環境を改善させる効果が高いと考えられますが、紅茶と黒茶では働きが違うようです。実際、プーアル茶に  抗肥満作用があることは複数の研究で確認されていて、脂肪吸収の阻害と脂肪燃焼の両方に関わっているようです6)。

 

私の身体には、プーアル茶が合っていましたが、緑茶や紅茶にもそれぞれ効用が期待できます。肌をきれいに整えるたり、抗癌作用を期待する場合には抗酸化力が高い、緑茶の方が良いかもしれませんし、紅茶も発酵茶なので腸内環境を改善させる効果があり、プーアル茶よりも身体に合うという人もいるでしょう。私自身もプーアル茶よりは紅茶のほうが味は美味しいと思いますので、機会があればよく飲んでいます。さらに、紅茶もプーアル茶も冬には生姜を入れて飲むと身体が温まります。

 

さらに、『お茶の専門店HOJO』さんによると、プーアル茶カフェインが少量とはいえ入っているので不安なら、水出しにするとカフェインが殆どなくなるので、妊婦さんにはとくにお勧めのようです。コップ1杯くらいの水の中に茶葉を入れて一晩置くとかなり濃く抽出されるので、それにお湯を加えて飲むと良いようです。

 

さすが、お茶の専門店で、扱われているお茶も胃に優しい春の一番茶にこだわったりしていて素晴らしいです。 

https://hojotea.com/jp/

 

・炭酸水

 

食欲を抑えるためには、炭酸水は有効です。しかし、炭酸水は一部の人にとっては、避けたほうが良い飲み物で、例えば、パニック発作を引き起こす可能性もあるので、炭酸水を飲んで体調が悪くなる人は避けたほうが良いでしょう。また、いわゆる清涼飲料水として甘味料が入っている飲み物は、一般的には健康の観点からすると避けたほうが良いでしょう。炭酸水は甘みを感じにくくしてしまうので、飲んで甘みを感じさせるためには、大量の甘味料が入っています。通常の砂糖ならまだマシなのですが、最悪なのは、果糖という名前はついているものの、フルーツに入っている果糖とは構造が異なる「果糖ぶどう糖液糖」は吸収率が良すぎて、太りやすくなるのと、腸内環境にも悪いのです。さらに意外なことに、いわゆるゼロカロリー人工甘味料は、この「果糖ぶどう糖液糖」よりも更に腸内環境にも悪影響があり、太りやすいことは前回に書きました。もし、甘い炭酸飲料水を飲むなら、ゼロカロリーではないものを選んだほうが、まだ、マシなようです。

 

・味噌汁

 

味噌汁は発酵食品なので腸内環境を整え、腸の働きを良くしてくれます。さらに、具としてもだしとしてもお勧めなのが、昆布です。昆布にはグルタミン酸が入っていて、胃腸の働きを良くし、疲労回復にも役立ちます。ただし、味噌汁を飲みすぎると塩分の摂り過ぎになり、身体に良くないだけでなく、身体の中に保水する能力が高まるので、簡単に体重が増えてしまいますので、体重を減らしたい人は注意が必要です。

 

ただし、「太る」ということと「体重が増える」ということは、同じではありません。改めて、「太る」ことと「体重が増える」ことについては、フルーツに果糖が含まれていて血糖値を上げるのに「太らない」理由をあわせて書きたいと思います。

 

・アルコール

 

アルコールは、確かに美味しいものがあります。例えば、美味しいお酒を「少しだけ」味わって飲めば満足するのか、とか、色々と試してみましたが、美味しいお酒を飲めば、もっと飲みたくなりますので、「ほんの少しだけ」というのは私には無理な話です。左党の方には申し訳ないですが、健康を優先するなら、アルコールはたまに飲むくらいの方が良いです(「少しだけ」が可能ならいいのですが)。

 

フランス人がチーズやバターをたくさん食べるのに、心疾患が少ないことが知られていて、これを「フレンチ・パラドックスと呼び、フランス人はワインをたくさん飲んでいるからだという説が1990年代に流行りました。そして、飲むなら白ワインより赤ワインが良くて、タンニン、アントシアニン、レスベラトールなどのポリフェノールがより多く含まれているから効果が高いだろう、と言う説があり、私もそう思っていました。

 

しかし、チェコの研究者が長年続けている「真実はワインの中に(酔えば本性を現す)」という一連の研究の中で昨年2017年に発表されたものによると7)、

1年間赤ワインと白ワインのどちらかを、グループごとにいくつかの量に分けて厳密に飲んでもらったところ、赤ワインでも白ワインでも効果に差はなく、最も効果的だったのは少量の場合だが、その効果は限定的だとのことです。健康に良いだろうと考えて(言い訳をして)、赤ワインを毎日飲んでいる人には酷ですが、ここで言う少量とは、1週間に男性ワイン2杯女性1杯のようです。1日ではなく、1週間で、です。しかも、心臓の動脈硬化を防ぐには、「日常的なエクササイズが必要だ」、だそうです。この結果を見る限りは、少量のアルコールなら良い影響があるということは昔から知られていたことなので、ワインに限らず、アルコールを飲むとしても、休肝日どころか、1週間に1回、少しだけ、というのがお勧めで、さらに健康になりたければ運動しなさい、ということなのでしょう(書いていて辛くなってきました。。。)。

 

もし、ぶどうのポリフェノールを摂りたいのなら、いずれもぶどうの皮に多く含まれているので、皮ごと食べられるぶどうを摂ったほうが、赤ワインを飲むよりも効果が高そうです。

 

次回は、サプリメントについて書きます。残念ながら、通常の食事だけでは、十分な栄養を摂ることが難しいので、必要最小限のサプリメントについて紹介したいと思います。

 

 

www.bodymindpsychology.net

 

 

*文献は、一部省略して表記しています。

 

1):Pooleら (2017). Coffee consumption and health. bmj359, j5024.

2):Nieber, K. (2017). The impact of coffee on health. Planta medica.

3):Santana-Gálvezら (2017). Chlorogenic acid. Molecules22(3), 358.

4):Doepkerら(2016). Caffeine: friend or foe?. Annual review of food science and technology7, 117-137.

5):山崎ら(2015). 茶葉の成分は製造工程によって変化するのか. 化学と生物53(9), 643-644.

6):中村 & 江崎. (2013). 食品の機能性と発酵による変化: 黒茶と大豆食品を例に. 本醸造協会誌108(1), 16-24.

7)Taborskyら(2017). In Vino Veritas study. Bratislavske lekarske listy118(5), 292-298.