現代人のための健康法 Tips

健康になるための方法は様々に提案されていますが、自分に合った方法を見つける心理学的方法を提案します。

14 ラスト・ダイエット 11 総括

ラスト・ダイエット低糖質ダイエットが土台になっていて、1日の炭水化物の摂取性を通常より抑えることは一致しています。しかし、一般的な低糖質ダイエットと異なることも多いので、相違点をまとめてみたいと思います。

 

・低糖質ダイエットとの違い

 

フルーツフルーツ・デトックス

 

一般的な低糖質ダイエットでは、糖質を避けるためフルーツを食べることができません。実は、私自身、低糖質ダイエットを実践してみて、実際に痩せることもできたので効果があると考えていましたが、結局はリバウンドしてしまい、体調も崩し、かつ、見かけも老けてしまったという経験をしています。

 

そこで、元気を取り戻すために、様々な試行錯誤をした結果たどり着いた方法が、私が勝手にラスト・ダイエットと呼んでいる方法です。

 

例えば、当初は、フルーツを摂ることを避けていましたが、元気を取り戻すために、太ってもいいから、摂ってみようと考えて、少しずつ食べるようにしてみたのです。そして、フルーツを食べても太らないという情報をみて、試してみようとまる1日フルーツだけにしたら太るだろうと思っていたのに、逆に痩せたので驚きました。

 

そして、さらにそのフルーツだけにした日の次の日の体調がいいので、理由を考えてみたら、「デトックス」しているんだろうと気づいたわけです。そこで、今度はフルーツだけというのを3日続けてみたら、太らないけど、寒さを感じるようになりました。なので、冬には1日あるいは半日に留めたほうがいいだろうと考えているわけです。

 

さて、私がラスト・ダイエットなるものをお勧めする理由を説明するためにも、まず、低糖質ダイエットでどのように体重が減るのかを復習してみます。

 

まず、「太る」、「痩せる」と「体重が増える」、「体重が減る」が違うことを指摘しておきます。「体重が増える」、「体重が減る」というのは文字通りそのままの意味ですが、私が「太る」、「痩せる」という言葉を使うときは、体内の脂肪量が増える、あるいは減る、という意味で使っています。低糖質ダイエットは、場合によっては、

「痩せる」のではなく、「体重が減る」のです。必ずしも体内の脂肪量が減るのではなく、筋肉量と水分量が減ることで「体重が減っている」のであって、脂肪量が減ることによって「痩せる」とは限りません。低糖質ダイエットで痩せたければ、筋肉量を保つために、タンパク質を多めに摂ったり、それでも減っていく可能性がある筋肉量を補って余りあるだけの筋肉トレーニングすることが必要です

 

さて、そもそも太る、つまりは体内の脂肪量が増える仕組みは以下のとおりです。

 

炭水化物を摂取するとグルコースブドウ糖)になり、血糖値が上がります。そして、血糖値がある程度以上、上がるとインシュリンが出て、そのインシュリンの働きで血糖値をある程度に保つことができ、過剰なグルコースが脂肪に変換されてそれが体内に蓄積されるわけです。この時に、肉などの飽和脂肪酸も一緒に食していると更に脂肪が蓄積されやすくなります。逆に、お肉を大量に食べただけでは太らなくても、その後に、ちょっとスイーツを食べただけで、血糖値が上がり、太ってしまうこともあるのです。

 

低糖質ダイエットは、血糖値が上がることを防ぐことで、過剰なグルコースが脂肪に変換されて身体に蓄積されることを防ぐわけです。

 

しかし、体内に糖質がないという状態、いわゆるケトジェニックな状態ですが、この状態にあると、肝臓でブドウ糖を作り出すシステムがあります。これを新糖生と言います。肝臓でブドウ糖をつくるためには、タンパク質を分解してアミノ酸にして、これを原料とします。通常は、食べた食材から使われますが、食べたタンパク質の量が充分でないと、体内の筋肉を消費して筋肉が減ってしまうことがあります。

 

筋肉を消費して新糖生が行われることがないように、タンパク質を多めに摂ることがお勧めされることもありますが、女性の中には、多くのタンパク質を食べること自体が難しい場合もあるかもしれません。

 

私の場合は、タンパク質を多めに食べること自体は問題ではなかったのですが、どうやら食べすぎてしまっていたようです。タンパク質を食べすぎてしまうと、その代謝のために、肝臓と腎臓に負担がかかってしまいます。また、肉を多く摂ると、尿酸が体内で増えたり、腸内環境が悪化したりしてしまいます。

 

筋肉トレーニングを継続して行い、かつ、タンパク質を多めに摂ることを続けられれば、リバウンドは起こらないかもしれませんが、内臓疲労や腸内環境の悪化によって、そうした生活を継続することが難しくなります。私の場合は、エネルギー切れになってしまいました。

 

エネルギーが無いと、タンパク質を多めに食べることは難しくなり、筋肉トレーニングを続けることも難しくなり、食事のアミノ酸だけでは足りなくなってしまうと、筋肉のタンパク質をアミノ酸に変換して新糖生を行うという悪循環がはじまります。さらに、腸内環境が悪化すると、脳の活動がスムースに行えないので、さらに元気がない状態に陥ってしまいかねません。そして、そこまでになってしまうと、疲れ切って、筋肉量が減った状態になると、太りやすくて、不健康な状態にまでなってしまいかねません。 私の場合は、そういう不健康な状態にまでなってしまいました。

 

そして、新糖生には筋肉を用いるだけでなく、体内の水分をも用いますので、体重は減りますが、皮膚に必要な適切な水分量を保てなくなってしまうので、老けやすくなってしまいます。

 

実は、この10年ほどで低糖質ダイエットが流行したことで、日本人の摂る平均的な糖質量が減っているにもかかわらず糖尿病患者が増えているという報告があります。これには、高齢者が増えているという理由もありますが、それだけでは説明がつかないようです。

 

2016年に発表された研究は1)、低糖質ダイエットを続けていると、インシュリンの分泌ができなくなってしまう仕組みが解明されました。(糖尿病とは、遺伝的なことが原因のⅠ型と、生活習慣が原因のⅡ型がありますが、ここでは、特にⅡ型のことについて書きます)。

 

糖尿病を尿に糖分が出てくる病気と捉えている限りは、糖質さえ摂らなければ大丈夫だと誤解されてしまうと思いますが、糖尿病の本質は、インシュリンを分泌する膵臓が機能不全に陥ったり(インシュリン分泌不全)、インシュリンが効かなくなってしまったりすること(高インシュリン抵抗性)です。

 

さて、一般的には過剰な糖質の摂取が原因になりやすいのですが、それではなぜ、糖質の摂取を制限する低糖質ダイエットが糖尿病を引き起こしてしまうのでしょうか?それは、多くの低糖質ダイエットを行う人が、「痩せるため」に行っていることとも関連します。もし、「痩せるため」に低糖質ダイエットを行っているのであれば、実際に体重が落ちた段階で、元のような食事に戻ってしまう可能性があります。しかし、一度体重が落ちた後、あるいは、実際に痩せた後で、元のような食事に戻ってしまうと、長い間、インシュリンを分泌する必要がなかった膵臓インシュリンを分泌できなくなってしまうことがあるということのようです。

 

つまりは、低糖質ダイエットを続けることで、膵臓が機能不全に陥って、糖尿病になってしまうことがあるのです。これを避けるためには、膵臓インシュリンを分泌するよう、適度な糖質を摂る必要があるわけです。そのため、基本的には毎日は少量に抑えておいたとしても、時々はきちんと炭水化物を摂ったほうが、ずっと摂らないでいて、急にまた炭水化物を摂り始めるよりはずっと安全なのです。

 

こうした理由からも、厳格な低糖質ダイエットを続けることは身体に良くないのです。

 

ラスト・ダイエットは、2つの目的で、たまにしっかりと炭水化物を摂ることを勧めています。一つは、上のような膵臓対策です。もう一つは、心理的クレービングを防ぐ対策です。たまに炭水化物をしっかりと食べてしまうことに罪悪感を感じること無く、むしろ「必要だから食べているんだ」と考えると、気持ちも楽になると思います。

 

もっとも、既に糖尿病になってしまった人が、ゆるい低糖質ダイエットを続けることは、治療方法としても、有効な手段の一つです。低糖質ダイエットが誰にとっても望ましくないもの、という単純化は、それはそれで危険だと思います。

 

・ラスト・ダイエットと低糖質ダイエットの違い

 

一番異なるところは、

  • 炭水化物を不定期にときどきはしっかり食べる
  • フルーツを正しく食べる

ということが最も異なるところです。

 

それ以外で異なるところといえば、

  • 腸内環境の改善に気を配る
  • 脂質の種類と摂取の仕方に気を配る
  • 炭水化物と飽和脂肪酸を一緒に摂らない

ということも明らかに異なる点です。

 

結果として、

  • 食欲が適正に抑えられる
  • 炭水化物や甘いものに対するクレービングが起こらない
  • 心理的な負担が小さく、長く続けやすい

という特徴があります。

 

以上が、ラスト・ダイエットと一般的な低糖質ダイエットの違いです。

私自身は太りすぎていたので、これを始めて痩せましたが、実感としてすぐに違いがでてきたのが食べる量です。低糖質ダイエットをしていたときは、タンパク質を摂りすぎてしまい体調を崩しましたが、食べ過ぎる、ということはなくなりました。

 

ただし、現代の日本人女性のように、極端に痩せたいと思われるのであれば、私のお勧めの方法だけでは難しいと思います。元気になれると思うので、何らかのエクササイズをたっぷりやって筋肉量を増やしたりすれば、痩せられるかとは思います。しかし、 海外に出れば分かりますが、日本人は、男女とも痩せている人が多く、女性は痩せ過ぎている人が多いのではないかと思います。実際BMI30以上の割合は世界一少ないです。

 

なぜか日本ではあまり強調されることが無いのですが、BMIが低すぎると死亡率が高くなることが日本の長期追跡研究で示されています2)。23〜24.9の死亡率を1とすると、

男性は

 〜18.9:2.3

19〜20.9:1.6

21〜22.9:1.3  ←適正体重?

25〜26.9:1.1

27〜29.9:1.4

30〜  :2.0

 

女性は

 〜18.9:2.0

19〜20.9:1.0

21〜22.9:1.0 

25〜26.9:1.3

27〜29.9:1.3

30〜  :2.0

 

男性では、BMIが21を切ると1.6倍にあがり、さらに、19を切ると2.3倍になります。 女性では、BMIが19〜29.9の間であれば大きな差はないのですが、19を切ると2倍になります。確かに男女とも、BMIが30を過ぎると死亡率が2倍になるので、BMI30以上というのが、国際的な肥満の基準であることは合理的だと思いますし、日本でもそうすべきと思います。

 

そして、男女ともBMIが19を切った場合には、死亡率が2倍以上になるのに、殆ど言及されていないのは、日本人全体が「痩せたい病」にかかっているのではないかとさえ思います。身体の構造は一人一人違うので、一人一人にとって理想的な状態が異なっていると思うので、身体のサイズよりも、「エネルギー」「多幸感」がある方がずっと 重要だと思います。

 

さて、このブログを始めたとき、まだこのダイエット方法に名前はつけていませんでした。 しかし、ふと思いつき、なんとなく「最後の」、そして「続く」ダイエットという意味でつけたのですが、最後であり、かつ、「最初」だったようです。

 

ホモ・サピエンス全史』によると、ホモ属が誕生したのは、250万年前で、農耕を初めたのは、せいぜい1万年くらい前のようです。したがって、我々の祖先は、少なくとも249万年もの間、狩猟生活を送っていたわけです。そして、その狩猟生活では、日常得ることができるフルーツ、木の実、動物などを食料にしていて、雑食をしていたのです。そうした生活が200万年以上も続き、その生活に身体が順応した後、ここ5千年から1万年の間に農耕生活に徐々に移っていって、小麦や米などの単一の食材に依存するようになったわけです。しかし、ホモ・サピエンスは、そうした炭水化物を食材のメインにして生活するための歯や内臓にはなっていないようです。

 

 

 

ホモ属は元々雑食で、近くにあるフルーツを食べ、たまに獲物が得られたら、その動物も食べ、小麦や米などの炭水化物を発見したら、しっかり食べ、血糖値が上がり過ぎたらそれをコントロールするためにインシュリンで対応するシステムが進化していったようです。実際、かつては、小麦や米などが得られることは1年のうち限られた期間しか無く、いつでも容易く見つけられたわけではないので、秋の時期に炭水化物を見つけたときには、食べられるだけ食べたのではないかと考えられます。ホモ・サピエンスの歴史としては、農耕生活は比較的最近の短い期間だけの話で、それ以前は、食事の中での炭水化物の量はかなり少なく、フルーツや様々な食材の雑食を続けていたようです。

 

そういう訳で、実は元に戻っただけで、最後というよりも、「最初」の食事の仕方とも言えるのかもしれません。

 

さて、食事についてはこのくらいにして、今後は、睡眠呼吸について書いた後、風邪を引かないようにする方法、冬のうつ病対策について書き、さらに、身体を日常生活で鍛えるための初歩的なエクササイズを紹介して「身体」についてのTipsを終わりにしたいと思います。身体を整えることができたら、IT時代に必要な「マインド」について書いていきたいと思います。

 

1):Lamontら(2016). A low-carbohydrate high-fat diet increases weight gain and does not improve glucose tolerance. Nutrition & diabetes6(2), e194.

2):Tsuganeら(2002)Under- and overweight impact on mortality among middle-aged Japanese men and women: a 10y follow-up of JPHC study cohort I.Int J Obes Relat Metab Disord. 26(4):529-37.